2018年4月
【月曜】赤ちゃんの突然死と寝かせ方
それまで健康であった赤ちゃんが、寝ている間に何の前触れもなく突然死亡することがあります。この病気は古くから知られ、旧約聖書には死亡原因として夜中に母親が子どもの上に載ったためであるとの記述があります。
現在では乳幼児突然死症候群と呼ばれ、英語の頭文字をとってSIDSともいいます。主に睡眠中に発症し、生後2ヶ月から6ヶ月に多く、まれに1歳以上で発症することもあります。
平成28年度の報告では109名が亡くなっており、赤ちゃんの死亡原因として第3位にランクされています。
SIDSは原因の分からない病気で窒息等による事故とは異なります。SIDSは発症してからの治療が難しい病気ですので、予防が大切になってきます。完全な予防法はありませんが、疫学調査からSIDSを発症しやすい因子として、うつぶせ寝、母乳で育てていない赤ちゃん、保育者の喫煙、低出生体重、添い寝などがあげられています。したがって、これらのリスクを避けることが重要になってきます。
特に寝かせ方に関しては、外国でうつぶせ寝防止キャンペーンを始めたところ、イギリスでは発生頻度が出生数1000人当たり3.5人から1.7人、アメリカでは1.20人から0.67人に減ったとの報告がされています。
医師から何らかの持病のためにうつぶせ寝が勧められているような場合を除いて、赤ちゃんが自力で寝返りができ頭を持ち上げられるようになるまでは、仰向けで寝かせたほうが良いでしょう。
また、赤ちゃんを一人で寝かせているときは、できるだけこまめに様子を観察してください。寝かせ方に不安や疑問点がある方は、かかりつけの先生に相談の上、安全な方法をとるようにしてください。