兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2018年5月

【木曜】犬や猫に噛まれたら

 犬や猫にかまれた場合、「大したことはない」といって油断してはいけません。最近は、ペットの多様化で、キツネやスカンク、アライグマに咬まれるという報告もあります。

 これらの動物の歯には、ばい菌や寄生虫の幼虫がいっぱいついていて、しっかり処置しておかないと、「破傷風」や「寄生虫病」などにかかることがあるからです。

 「破傷風」は、破傷風菌といわれるバイ菌がかまれた傷口から侵入し、毒素をつくり出します。この毒素が神経を侵して、全身の筋肉の硬直やけいれんをひき起こします。場合によっては破傷風血清も必要となります。「寄生虫病」では、犬および猫回虫症と呼ばれるものが多く見られ、発熱や肝臓の腫れ、時には脳炎に似た症状を引き起こし、失明に至ることもあります。

 犬や猫にかまれたら、まず水道水で傷口を十分洗い流し、ガーゼで傷口を覆いましょう。特に野良猫や野犬については十分な注意が必要です。すぐに近くの医療機関で医師の治療を受けるようにしましょう。

 幸いなことに、日本ではこの40数年くらい狂犬病は起こっていませんが、効果的な治療法がないため、犬を飼っている人は、必ず年1回の狂犬病の予防接種をしておきましょう。

 狂犬病は、犬の唾液の中にいる狂犬病ウイルスが、人間に感染して起こる病気です。かまれてから10日ほどで、かまれた傷あとから体の中心に向かっていくような痛み、食欲不振、唾液が多くなるなどの症状がでてきます。その後、興奮しやすくなり、のどから胸にかけてけいれんを起こし、発病後3~5日で呼吸困難を起こし死亡することもあります。

 また、猫にひっかかれた時も注意が必要です。「猫ひっかき病」といって、リンパ節が腫れ、傷を受けたところに発疹や小さな水疱ができ、化膿したりします。稀には、傷を受けてから2~3週間後に発熱、頭痛がみられ、全身がだるくなり、腫れたリンパ節が化膿して破裂することもあります。この場合、発熱している時は安静が一番ですが、初期の段階であれば抗生物質を使って化膿を防ぐことができます。

 このように、犬や猫にかまれた時は、放置せずかかりつけの医師に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。

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