兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2018年5月

【月曜】子宮ガン検診のすすめ

 子宮がんには子宮の入口にできる子宮頸がんと、子宮の奥にできる子宮体がんがあります。一般に子宮がん検診といわれるのは、子宮頸がんの検査を言います。

 子宮頸がんは性交渉などによってヒトパピローマウィルス(HPV)がここに長期間感染することが主な原因だとわかっています。最近は20~30歳台の若い年代に増えています。

 HPVはほとんどの女性が一度は感染すると言われています。大部分は自然に消えますが、ウイルスが残ってしまうと、数年以上かけて癌細胞へと進行していくことがあります。

 百種類以上あるHPVのうち、発がん性のウイルスの約70%はワクチン接種により感染を防ぐことができます。日本では平成25年に低年齢の女子に定期接種が始まりましたが、ワクチン接種の後に原因が分からない体調不良などの例がでたため、現在は積極的に接種する人が少なくなっていますが、ワクチンの効果は確認されていますので、日本産婦人科学会では若年層へのワクチン接種を推奨しています。

 子宮頸がんの初期には自覚症状はありません。進行して初めて出血や悪臭のあるおりもの、下腹部や腰が痛むなどの症状が出てきます。自覚症状が無いうちから定期的に検診を受けることはとても大切です。これにより癌になる過程の異常細胞や、ごく早期の癌を発見することができます。

 子宮頸がん検査の方法はブラシや綿棒で子宮の入口を軽くこすって細胞を採取します。この操作に痛みはありません。早期に見つかればレーザー治療や子宮の入口を一部切除する簡単な治療で済みます。妊娠、出産も可能です。

 各自治体では、無料クーポンを発行したり対象年齢の人に検診料の補助をしています。条件により無料で受けられる人もあります。わからないときは各自治体に問い合わせてください。

 子宮体がんも最近増えています。子宮体がん検査は子宮の入口から細いチューブを挿入して、細胞を採取します。これは一般のドックや市民検診には含まれていませんが、希望すれば自費で受けることができます。

 子宮頸がん検診は指定医療機関で受けることができます。ワクチン接種をした人も受けることが必要です。受診の際は月経時を避けて、何年前に受けたか、最後の月経が始まった日をメモしておく様にしましょう。下着を脱ぐ必要がありますので、脱ぎ着しやすい服装がいいでしょう。また、検査の後は少量の出血をすることがあります。初めて検診を受ける場合など、不安があれば遠慮なく医師に伝えるといいでしょう。

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