2018年6月
【水曜】怖い頭痛、怖くない頭痛
頭痛はよくあるものですが、心配になる症状でもあります。軽いものや風邪を引いたなどの場合は通常は心配はありません。
多いものは片頭痛です。市販のお薬が効きにくくなったとか、回数が増えたとかの場合は片頭痛の可能性があり、医師に相談しましょう。小学生や中学生のときから月に2-3回、頭痛があったとか、仕事を始めたら肩こりとともに頭痛がひどくなってきたという人は、頭痛学会の専門医の診察を受けた方がよいと思います。片頭痛は軽いものから、とてもひどいものまであり、専門医でないと予防法や治療法が適切でないことがあります。
案外多いのは、これまで頭痛などなかったのに、数日前から急に右か左の後頭部から耳の後ろあたりが痛い場合です。これは頭部神経痛かも知れません。頭が痛いときに受診しても、頭部の触診をしないような医師は少し困ります。頭部の触診で簡単に後頭神経の圧痛などが分かるので治療の方針が決まります。
さて、こわい頭痛には簡単な見分け方があります。それは、急に起こってきた頭痛であるか、吐き気や発熱を伴うかでしょう。要するに何か今までの頭痛とは、とにかく違う場合です。もちろん、頭痛とともに麻痺とか人格変化が起こったら危険な頭痛と分かるでしょうが、頭痛だけの場合は、これらがポイントです。
医師は、必要ならば頭部のCTやMRIなどの詳しい検査もしますが、もとより頭部の触診や詳しい問診が、頭痛の診断には非常に重要です。
少し珍しいですが、こまった頭痛としては群発頭痛があります。非常に激しい頭痛で、毎日、決まった時間に起こる場合は群発頭痛の疑いがあります。これは右なら右といつも決まった痛みで、痛いときには痛いほうの鼻が詰まり、水洟(ばな)が流れ、結膜が充血します。この頭痛は、1年に1回、約一か月、毎日起こり、約1時間ほど続き、片方の目の奥がえぐられるような痛みです。ところが痛みが治まると鼻づまりもすっとなくなります。
この病気の場合は、予防薬、点鼻薬、自己注射などに詳しい頭痛学会の専門医に相談するべきだと思われ、かかりつけの医師から紹介してもらうのもいいでしょう。