2018年6月
【月曜】失明につながる目の病気
目には視力と見える範囲である視野の機能があり、それを視機能と言います。視力と視野の低下が失明につながります。それを視覚障害という言葉で表現しています。
日常生活するうえで、情報の80%は視機能から得ています。視機能が低下すると生活に支障をきたします。
さて、失明の原因になるもので一番多いのは緑内障です。次いで糖尿病網膜症、そして加齢黄斑変性症です。先天性のものでは網膜色素変性症があります。
まず、緑内障は眼圧が高くなることによって視神経が圧迫されて視野が狭くなる病気で、進行すると回復しません。発見した時にすぐに治療開始となります。しかし、日本では眼圧が正常ですが緑内障と同じ視野変化をきたす正常眼圧緑内障が多く、40才以上で、20人に1人います。初期は自覚症状がありません。健診で発見される事が多いのですが、進行してから発見されても回復しませんので、健診で指摘されたら、必ず眼科を受診して下さい。
糖尿病網膜症は糖尿病によって網膜の血管が弱くなり眼底出血などを起こし、進行すると失明にいたります。まず、血糖コントロールを良くして下さい。そして眼科を受診して、網膜症が起こっているかどうかを診てもらいましょう。眼科的に治療が必要でしたら、受けて下さい。網膜症が無い場合も、内科と眼科の定期検査が必要です。
加齢黄班変性症はもともと日本人にはあまりありませんでしたが、年々増加しています。原因は、生活習慣で、特に食事が欧米化している為と言われています。黄斑とはものを見る網膜の中心部です。進行すると視野の中心が見えなくなります。
失明につながる先天性や遺伝性の目の病気もあります。代表的な疾患に網膜色素変性症があります。今のところ有効な治療法はなく、徐々に進行していきます。
いずれも失明につながる目の病気ですので、早期発見・早期治療が大切です。日常生活に不自由を感じたら、将来の人生のために、主治医の先生から患者さんの会や支援団体を教えてもらって下さい。そこに参加して、生活に必要な情報や訓練を教えてもらいましょう。