兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2018年7月

【月曜】60歳を過ぎてからの女性器出血

 閉経して数年ぶりに突然出血があれば誰でも心配になってしまいます。子宮癌かもしれないという不安が広がることでしょう。こんな時はまず婦人科を受診して出血の原因を確かめることが大切です。出血は癌によることもありますが、他の原因によることも多いのです。
 病院に行くと医師は子宮の入り口とできればその奥にある体部から細胞を採取します。それから超音波検査で子宮や卵巣をチェックします。超音波検査で子宮以外の卵巣や卵管の病気がみつかるかもしれません。もしこれらの検査で異常があれば更に詳しい検査や治療が必要になります。
 子宮癌には子宮の入り口にできる頸癌と子宮の奥の体部にできる体癌という2種類の癌があり、同じ子宮にできる癌といっても全く違う原因で起こる別の病気です。数十年前は入り口の頸癌がほとんどで奥の体癌は少なかったのですが、最近は体癌の占める割合が増加しております。特に閉経後は体癌が増えるので頸癌と体癌、両方の検査が必要です。
 しかし出血で来院される患者さんで癌の見つかる方はそれほど多くはありません。閉経後女性の出血には癌以外にも様々なものがあります。まず多いのは女性ホルモンの不足によって膣粘膜が薄くなり抵抗力が衰えたためにおこる萎縮性膣炎です。他にも老化のため骨盤の筋力が衰えて子宮が下垂する子宮脱、子宮のポリープや外陰部の潰瘍、尿道からの出血など様々な疾患で出血が見られることがあります。
 いずれにせよ出血があった場合は婦人科に行って出血の原因を調べてもらいましょう。それぞれの原因に合った対処法があります。たとえば萎縮性膣炎ならば少量の女性ホルモン膣錠投与できれいになりますしポリープならば簡単に取ることができます。もし癌が発見されても子宮癌は他臓器の癌に比べて治りやすい癌なので怖がらずに病院に行きましょう。

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