兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2018年9月

【水曜】むくみのはなし

 むくみというのは皮膚の下に水が溜まった状態です。からだに必要な酸素や栄養は心臓から動脈血と一緒に細胞に送り込まれ、用事がおわると約90%は静脈から、残りの10%はリンパを介して心臓に戻ってきます。この戻りが100%でなく90%なら10%が水分として残ります。これがむくみといわれる状態です。

 むくみを見つけるのは膝の下の脚の部分で認められることが多く、指で押さえるとできるくぼみの戻りが遅いことで気がつきます。心臓への血液の戻りが悪いと、体は血液が足りないと感じ、必要な内臓に優先的に血液を送り出そうとしますから、足が冷たくなったり、だるいということが起こります。むくみがひどくなっておなかに水がたまったり、胸に水がたまるようになりますと命に関わってきますので大変です。

 むくみが出る病気は沢山あります。心臓、腎臓、肝臓、女性ホルモンや血管系の病気など、色々な原因があります。

 また、高齢者では甲状腺機能低下症が見逃されることが多いので、まずかかりつけの先生に相談して治療方針を決めてもらってください。

 日常で気をつけることは、横になられたら脚を心臓より高くすることが大切です。パートナーがおられるなら、足のつま先から脚の付け根の内側まで一方向に血液を送り戻すマッサージを行ってください。そうすると静脈の戻りが良くなり、静脈血の心臓への戻り効果が大きく、むくみを減らすのに役立つようです。また、立っているときはかかとを上げる、下げるという運動も良いようです。特に長時間座ったままでいたときの回復にも役立ちます。食事は塩分を控え、カリウムを含んだ野菜をとりましょう。また、良く歩いて筋肉量を衰えさせないことも大切です。

 むくみのある方に共通する心理状態は、寂しい気分、悲観的な気分、落ち込んだ気分のときが多いようです。難しいですが気分転換を試みて明るい話題を探してほしいものです。暗い気持ちで落ち込んでいますと新陳代謝も悪くなり病気の回復も遅らせます。

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