2018年12月
【金土日】唇の荒れ
「唇の荒れ」は色々な原因によって引き起こされます。秋から冬にかけては空気が乾燥して、肌があれる人が増えますが、唇も例外ではありません。エアコン、ストーブを使っている部屋の中に長い時間いると余計にあれやすいようです。特にアトピー性皮膚炎のある人によくみかけられます。唇が乾くと気持ちが悪いため、無意識に唇を舐めます。そのため唇のあれは、舌が届く口のまわりまで拡がりますが、舐める癖をやめると治ります。
また、唇がかぶれて荒れる場合があります。女性では口紅やリップクリームなどの化粧品でかぶれる事が多いのですが、子供ではおもちゃ、大人でも楽器など思いがけないものにかぶれている事もあります。食べ物では果物のマンゴーなどを食べた後に唇が赤くかぶれる人がいます。
の端が割れて、口を大きくあける度に痛くなる事がありますが、これを口角炎(こうかくえん)といいます。保湿のためのクリームをしばらくつけると治りますが、時になかなか治らない場合があります。子供では唇の割れた場所にブドウ球菌という細菌が感染して治りにくくなっていることがあります。老人や糖尿病のある人では口の端に白い付着物がつくことがありますが、これはカンジダというカビの一種です。また最初に唇の一部に小さい水ぶくれができ、その後がかさぶたになって治りにくい場合がありますが、これはヘルぺスウイルスによるもので抗ウイルス剤の飲み薬、あるいは塗り薬が必要になります。
唇の荒れの中にはやっかいな病気もあります。おもに下唇に多い症状ですが、何回も皮がむける、すぐに出血する、厚いかさぶたをつける、一部が硬くなって盛り上がってくるなどの症状がでれば、単なる唇の荒れではありません。唇の荒れが長引くようでしたら早めに皮膚科医に相談してください。