兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2019年3月

【月曜】子どもの予防接種のタイミング

数年前から、乳幼児の救急医療が大きく変わってきました。たとえば、4ヶ月の赤ちゃんが39度の高熱を出して、夜間の救急外来に来たとします。10年前の小児科医なら、必ず採血をして、細菌性髄膜炎や敗血症などの怖い病気の有無を確認してから、帰宅させていました。しかし、今は違います。現在、そのような場合には、母子手帳で肺炎球菌ワクチンとHibワクチンの接種歴を確認します。そして共に実施されていれば、採血をしないで、翌日にかかりつけ医への受診を進めています。これらのワクチンのおかげで、肺炎球菌とB型インフルエンザ菌の重症感染がほとんどなくなり、緊急を要する病気を考えなくてもいいからです。

10年前、日本はワクチン後進国といわれていました。世界のワクチン情勢から20年ほど遅れていたからです。しかし、数年前から、急速に日本のワクチン情勢が大きく変わってきました。保護者や小児科医の強い要望で、次々と新しいワクチンが定期接種化されるようになり、今では、ほぼ世界のスタンダードに達したといえます。現在、小児の定期接種ワクチンだけで10種類もあります。各ワクチンには、接種年齢の規定があり、たいへん複雑になっています。母子手帳やパンフレットを参考にして、保護者だけでワクチンのスケジュールを立てるのはほぼ無理だと思います。

現在、小児科医は生後2ヶ月からのワクチン接種を勧めています。早い時期に、かかりつけの小児科医を決めて、できれば生後2ヶ月前にワクチンの相談にかかりつけ医を受診し、1歳ごろまでのワクチンスケジュールを決めるのがベストだと思います。できればご両親での受診を勧めます。さまざまな事情で、遅れることがありますが、慌てずにかかりつけ医に相談していただければよいと思います。

たまに、定期接種の時期を過ぎてしまってから、ワクチンの相談を受けることがあります。大事なMRワクチンなどが抜けている場合には、自費での接種を勧めています。そうならないためにも、風邪などでかかりつけ医への受診の機会があれば、そのつど母子手帳を持参し、ワクチンの抜けがないかを確認してください。どのようなことでも、かかりつけ小児科医に相談していただければよいと思います。

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