2019年7月
【木曜】大腸がんの早期発見
がんは、早期発見と早期治療が重要であることはみなさんご存じのことだと思います。その中でも、比較的早期に発見しやすいのが大腸がんです。
大腸がんは、他のがんに比べて転移が遅いため、早期発見・早期治療することによって完全に治癒する確率も高いと言われています。一方では、進行しないと症状が出ないため手遅れとなり、がんによる死因は大腸がんが男女とも増えていますが、とくに女性ではトップになっています。
早期発見のためには、まず「便潜血反応検査」で、便に血が混ざっていないかを調べます。もちろん目に見えないほど微量の出血も分かります。結果が陽性であっても、腸に異常所見のある方は半分ほどで、がんが発見されるのは3%前後(4%程度)です。
がんの初期症状をとらえることは、簡単なことではありません。
大腸がんにおいては、その初期に見られるポリープの段階からでも便に血が混じることが多いため、患者さんへの負担が極めて少ない便潜血反応検査を行うことで早期発見に繋げようというわけです。そして、便潜血反応が陽性の時には大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を受ける必要があります。
大腸がんの多くは、ポリープが大きくなっていくことで発生します。直径が15ミリ以上になると、その一部ががん化していることが多くみられます。小さなポリープの状態か、早期ガンの状態で発見できれば、お腹を切らないで大腸内視鏡で悪い部分だけを切り取る手術も可能です。
もし、進行してポリープが大きくなってしまうと、大腸内視鏡では取りきれず、開腹手術となります。最近では、お腹に穴を4カ所程開けて、そこから腹腔鏡という特殊なカメラで手術を行う治療法が主流となっています。いわゆる内視鏡下手術です。
食生活の欧米化などにより大腸がんは増加傾向にあります。早期発見・早期治療のため、40歳以上の方は年に一度は便潜血反応検査を受け、陽性が出たり、便秘が続くなど気になる症状があれば、大腸内視鏡検査でチェックしましょう。