2019年12月
【金土日曜】ジェネリック医薬品(後発品)のはなし
薬局に処方箋を持っていくと、「ジェネリックにしますか、先発品にしますか?」と聞かれる機会が多くなっていませんか。これは処方箋の様式で、処方医が、ジェネリック医薬品を選択することを許可するかどうかがわかるようになっていて、薬局では患者の意向を確認することになっているからです。
新薬の開発では、10年以上の歳月と巨額の費用をかけて商品化されます。これを「先発品」と呼んでいます。先発品には発売後20年間程度は、特許権が認められており独占的に販売が出来ます。一方、後発品は、有効成分の規格や安定性などが先発品と同等であるかどうかを検査してから商品としています。つまり開発研究などを簡略化して、コストを低く抑えることができるのです。薬価と呼ばれるお薬の価格では、先発品の2割から5割の値段に設定され、窓口での患者負担も軽くなります。
2014年には40%を切っていた、ジェネリック医薬品の使用割合は、2019年3月には74%を上回り、2020年までに80%にするという厚生労働省の目標に近づいています。しかし一方では、ジェネリック医薬品の品質を不安視する声も根強くあります。
そこで登場したのが、先発品と同一の製品を、別の会社で販売する制度、「オーソライズドジェネリック(AG)」です。これからは、こういう製品も多く出来そうです。
後発品メーカーも、添加物の違いや、製造法の独自性を、自社の特徴として、先発品を超える製品を、生み出すことで、業界での生き残りをかけているところもあります。多様化するジェネリック医薬品を、賢く使って、患者負担の軽減と、医療費の急激な増加を抑えることが出来ればと考えます。
薬局では、ジェネリック医薬品の事だけでなく先発医薬品の事も、どの様なことでも、気軽に声をかけて、相談していただけるようにお待ちしています。