2019年12月
【木曜】めまい、ふらつきはなぜ起こるの?どうすればいいの?
多くの方が、めまいやふらつきでお困りのことと思います。特に年齢を重ねるごとに、ふらついてしょうがないと、感じることが多いようです。
人や動物では、体の位置や動きを、耳の奥にある三半規管や、手足からの感覚を通じて脳に伝えます。その情報が小脳や脳幹で調整されて、手足の筋肉をうまく動かすことで、こけないように、うまくバランスをとるようにしています。これがいわゆるバランス調節系(平衡感覚調節系)です。この機能はほぼ反射的に、瞬間に出来るものです。
また、血圧も体の位置や動きによって、重力の影響を受けます。たとえば寝た姿勢から立ち上がると、血液を含めた体液は重力によって、足のほうに下がり、血圧も下がることになります。そのままだと、脳へ行く血液が少なくなるのでふらつくため、体の位置によって、適正な血圧に調節する、血圧調節系が存在します。
これらがおかしくなると、めまい、めまい感、ふらつきが起こります。特に高齢の方が、訴えるふらつきの多くは、これらの調節系の反応が鈍くなることや、筋力の衰えによってバランスを崩し易くなりおこることが多いようです。そのためには、普段から散歩したり、あたまを良く動かしたりして、これらの平衡感覚や、血圧調節の自律神経を十分に刺激して、活性化して維持することが大切です。
ただし、強い耳鳴り、回転するめまい、吐き気などが突然起こる場合は、メニエル病や、良性頭位めまい、あるいは特発性難聴などの耳鼻科疾患が考えられますので、耳鼻科を受診するようにしてください。特に聴力が急に落ちてきた場合は、すぐに受診して下さい。
また、突然バランスを崩して、うまく歩けない、手足は動くけれども、うまく使えない、物が2重に見える、呂律が回らない、ものを飲み込みにくい等の症状がある場合は、脳の病気が考えられますので、脳外科や神経内科などの専門医にすぐに受診してください。
脈の乱れや、血圧の変動がひどくてふらつくときは、循環器の専門医がいいかもしれません。いずれの場合も、おかしいと感じたら、かかりつけ医に相談するのがいいでしょう。