2019年12月
【火曜】糖尿病と歯周病の関係について
あまり周知されていませんが、歯周病と糖尿病は密接に関係しています。
歯周病を治療することで、糖尿病の重症度を表す「HbA1c」が0.4~0.8%低下するといわれています。
さらに、重度の歯周病でHbA1cが高い場合は、一気に2~3%も低下することがあります。これだけ数値を下げることは非常に大変なことです。
ここで述べているHbA1cとは、過去2-3か月の血糖値の平均を表し、血糖値が高い状態が続くとHbA1cの値も上がります。
歯周病と糖尿病がどのように関係しているのか、ここから説明していきます。
成人の80%は歯周病を持っていますが、その原因は歯垢(プラーク)です。歯垢がついていると歯周病菌は毒素を出して歯の周りの組織を破壊して歯周ポケットを作り、潰瘍ができます。歯磨きして出血する方はこれが原因です。そして、歯垢が固まると歯石になります。歯石が付くと歯の表面が凸凹になり、さらに歯垢がつきやすくなります。そして歯周病菌はそのポケットからどんどん深く入ります。
体は負けまいと、マクロファージという白血球の仲間を歯茎に送り込み歯茎は赤く腫れていきます。
そして、ポケット内で歯周病菌とマクロファージの戦いが始まります。そして、歯周病の進行と伴って、ポケット内の歯周病菌が血管内に入ってしまうと菌はドンドン増えます。そして血管の中でもマクロファージと歯周病菌が戦いを始めてしまいます。マクロファージが救援を求めるTNF-αと呼ばれるタンパク質の一種を出すとインスリン抵抗性が増して、血糖値が下がりにくくなり、糖尿病が悪化してしまいます。
要するに、歯周病をしっかりと治療してくことで、糖尿病の改善にもつながるという仕組みです。
一度、歯茎の検査をされてみること、定期的に歯科を受診されることをおすすめします。