2020年1月
【金土日】うつ病の家族を支えるために
家族の方が病気になることは、身体的にも心理的にも負担が増えます。これからうつ病の家族を支えるために理解していただきたいことをお話します。
長期間のストレスは、うつ病の誘因と考えられます。
うつ病は、眠れなくなります。起きる、寝ることのリズムの障害です。午前中は調子が悪く夕方になると元気になることもよくみられます。
身体症状として食欲低下、または食べ過ぎる症状もよく見られます。やせてきた、太ってきたことで気付くことが多いと思います。
うつ病の症状で重要なことは、楽しみを感じられないということです。何をしていても悲観的に考えてしまい、生きることが非常に辛くなる症状があることです。死にたいと直接表現されなくても、自分なんかいないほうがいいと否定的な感情に支配されることです。
うつ病には、ゆっくりとした休養、薬、認知療法が有効です。認知療法とは悲観的に考える行動パターンを変化させる治療法です。服薬を自己中断しないことも重要です。
家族の対応によっては、うつ病が悪化することもあります。これは3点あり、「批判的」、「敵意」、「過度の巻き込まれ」とされています。家族が「批判的」であるとは、例えば、「何もしないでゴロゴロしていてしようがない」とか、「いい年をして仕事もしない」などです。「敵意」とは、「あんな子なんかいない方がいい」、「殴ってやりたい」、という態度や言葉です。「情緒的な過度の巻き込まれ」とは、ちょっとしたことで家族が泣き崩れたり、冷静さを失ってしまう態度を指します。これらは病気の再発を増やすと考えられます。余裕がなくなり批判的になったり、敵意を示したり、過度に巻き込まれないようにすることが重要です。
うつ病は、自殺という問題も避けてはとおれません。状態が悪い時は自殺する気力もない状態ですが、少しよくなったときに自殺される方が多いことに注意が必要です。この場合は医療機関での対応が重要です。家族もつらいことが多いと思います。じっと待つことも重要です。どうしてよいかわからないときは、医療機関や保健所、保健センターなどの行政組織と相談する方法があります。個人で患者さんを支えることも重要ですが、地域、社会で支えることも重要です。