2020年6月
【木曜】多くの緑内障は隠れ緑内障
眼の中途失明原因の第1位は緑内障で20人に1人とされていますが多くは隠れてしまい未発見状態ってご存知でしょうか。その緑内障の過半数を占める正常眼圧緑内障のほとんどは、初期から時には中期でも無自覚無症状なのです。自覚される急性視力障害はほとんどありません。隠れていて未発見だから怖いのです。
症状が気づきにくい理由は、緑内障は片目が先に進行し、その障害部は反対側の目でカバーされ、かつほとんどが最後まで中心視力が矯正視力1.0と保たれているからです。仮に片目の視野の4分の1が欠けていても、反対側の目でカバーされ、全く気付かない場合も多いのです。多くの正常眼圧緑内障では、末期まで矯正視力が1.0と良好な場合が殆どなのですが、放置すればその後急激に視野や視力が低下してしまいます。ですから緑内障は、早期発見が失明を防ぐ重要なポイントになります。眼科検診だけでなくアレルギーや近視予防時にはコンタクト検診など眼科受診する事が重要な早期発見のポイントになります。次に大切なポイントは眼底検査、特にOCTと言う赤外線による眼底の3次元的光干渉画像解析による検査が、正確な緑内障診断の為に絶大な効果があります。エビデンスが認められている唯一の治療法が眼圧下降療法です。点眼などで、眼圧を約30%、無治療の状態よりも下降させると、視野が欠け難くなる事が分かっています。正常眼圧緑内障の原因は主に視神系における慢性的な血流障害とされており、眼圧下降により血流障害が改善される事が分かっております。
最近新型コロナウイルス感染症が流行しています。その為多くの一般市民が多大なストレスに苛まれております。ストレスにより交感神経が緊張して全身の血流が悪化します。特に緑内障の方の慢性的な視神系の血流障害が最近際だってまいりました。眼科専門医も換気や消毒、遠隔診療など感染防止を徹底的に行っております。
大切な眼の失明を防ぐことも是非とも忘れないでください。