2020年11月
【金土日】皮膚基底細胞癌とは
基底細胞癌は日本人の中で最も多い皮膚がんの一種です。高齢者の顔にできることが多く、見た目は最初ほくろのように見えます。黒い軽いもりあがりだったのが徐々に大きくなり進行すると中心がへこんで周りが堤防のようになります。血が出てきたり、かさぶたがつくものもあります。まれに赤みがかったかさつきだけの湿疹に似たものもあります。痛みやかゆみはありません。
紫外線やけがのあとからできるものもありますが、明らかな原因はわかっておりません。医師がダーモスコピーという特殊なルーペでみたり、麻酔をして組織の一部をとって顕微鏡で調べたりして診断をつけます。
治療は手術で取り除くことです。皮膚がんの中ではメラノーマなどと違って転移することは少ないので手術で完全に取り切れれば治る病気です。
癌が小さければ日帰りの部分麻酔で比較的小さな手術ですみますが、放っておいて大きくなると手術も複雑になり入院が必要になることもあります。特にまぶたや鼻にできた場合、切除したあとの見た目や機能が問題になるため、皮膚移植などの特殊な手術が必要になることもあります。なるべく小さいうちに見つけて治療することがとても大事です。
長く放っておくとどんどん深くなって筋肉や骨までいくこともあり、そうなると手術でとりきることが難しくなって放射線治療や化学療法をおこなうこともあります。
皮膚がんに住民健診はありません。年をとってから急にできたできもので、本人あるいはご家族が大きさや色合いなどの変化に気づかれた時は早めにかかりつけの皮膚科でみてもらいましょう。さわったり、むしったりするとその刺激で出血したり化膿したりすることもあります。なるべく、さわったりせずに皮膚科を受診してください。皮膚基底細胞癌は早めに見つけて切除すれば治せる病気です。