2020年11月
【木曜】 膀胱がんについて
膀胱がんは膀胱の内側の粘膜が、がん化することによって引き起こされる悪性疾患です。日本全国で1年間に約20,000人が罹患しています。男性に多い傾向にあり、60歳ごろから増加して、高齢になるほど多くなります。
膀胱がんの一番の要因は喫煙です。男性の50%以上、女性の約30%の膀胱がんは、喫煙のために発生するともいわれています。
また、ペンキや染め物を扱う職業の方にも多いとされています。
膀胱がんの症状は、赤色や茶色の血尿が出ることが最も一般的な症状です。血尿以外、無症状なことも少なくありませんが、頻繁に尿意を感じる、排尿するときに痛みがあるなど膀胱炎のような症状が出ることもあります。膀胱がんの場合は、症状が軽い、あるいはこのごろ症状が出たばかりだとしても、がんの進行がゆっくりであるため、あまり症状の変化に気づきにくいことも多く、早期がんの状態ではない場合もあります。症状が出たときにはすでに進行がんや転移性がんであったということもあります。
膀胱がんは大きく2種類のタイプに分けられます。
1つ目は、カリフラワーやイソギンチャクのように表面がぶつぶつと隆起し、膀胱の内側に向かって突出するがんで、この形態から、乳頭状がんと呼ばれることもあります。通常、開腹手術ではなく、尿道口から内視鏡で切除できることも少なくありません。
2つ目は、膀胱粘膜の深くまで広がったがんです。時には膀胱の壁を超えて、外の組織まで広がっていたり、リンパ節や、肺、骨といった他臓器へ転移する危険性があり開腹での手術が必要となることも多いがんです。
いずれにしても血尿、頻尿や尿意切迫感などの症状がある場合は、まずは医療機関を受診して、がんかどうかを診断しましょう。がんと診断された場合は、早期に治療を開始することが肝要です。