兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2020年11月

【水曜】 寝違えが起きたら 

 朝起きたら首が痛くなることがあります。このような急性の頚部痛を、一般的に「寝違え」「寝違い」と言います。その痛みの程度は、首を動かすと少し痛い程度の軽症から、痛くて首が動かせない重症までいろいろです。

 痛みの原因はよく分かっていません。仮に悪い姿勢のまま眠り続けても、通常は違和感を覚えれば途中で目が覚めたり、あるいは眠ったままでも姿勢を変えるものです。しかし疲労や睡眠不足、または泥酔状態だったりして、長い時間不自然な姿勢のままで寝てしまうことで痛みが出ます。ですから、首に無理な力がかかって筋肉が痙攣して痛くなるようです。

 もし寝違えを起こしてしまったら、まずは安静にすることが大事です。安静にするというのは、重い物を持ったり、無理に首を動かしたり、長時間同じ姿勢をとらないことが大事です。マッサージをすると、かえって痛くなることがありますから、しない方が安全です。

 通常は2~3日で症状が軽減していきます。長引いたり悪化したりする場合、痛みが強い場合は、整形外科で検査を受けましょう。

 子どもの場合や痛みがあちこちに散る場合には注意が必要です。子どもの場合は、首の骨の1つ目と2つ目が固まって動かなくなる病気(環軸(かんじく)関節(かんせつ)回旋(かいせん)()固定)があります。また、痛みがあちこちに散る場合とは、手がしびれたり、背中や腕に痛みが広がったりすることです。頚椎椎間板ヘルニアなどによって、神経を刺激している可能性があります。

 寝違えの治療は、飲み薬では消炎鎮痛剤や筋弛緩剤、漢方薬(芍薬甘草湯)などがあります。さらに貼り薬をつける、電気刺激やレーザー照射による鎮痛の処置、痛みを止めるための薬物注射などです。

 予防するためには、首への負担をとることが大切です。日常生活の中では、良い姿勢を保ち首に負担のかからないようにしましょう。長い時間同じ姿勢を取らないようにし、首を後ろにそらし過ぎないようにしましょう。枕の高さが高すぎたり、あるいは逆に低すぎたりするのもよくありません。固さも適度な枕を使うようにしましょう。

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