2020年12月
【火曜】 健康寿命とお口の体操
健康寿命を延ばすためには歯磨きと共にお口の体操が重要です。お口には、噛む、飲み込む、しゃべるの三大機能があります。
日本では約30年前に80歳になって20本の歯を残そうという「8020運動」が始まりました。当時の達成率はたった7%しかありませんでしたが、現在は50%以上の達成率となりました。この運動が日本人の寿命の延長に貢献し、また医療費削減にもつながっています。
歯磨き習慣が歯を残す事に大変重要なのは言うまでもありませんが、これに加えお口の体操をすることによってさらに健康寿命を延ばすことが可能です。
最近になって物が食べにくくなった、飲み込みに時間がかかるようになった、滑舌が悪くなったという症状を口腔機能低下症、オーラルフレイルと言います。
これを改善するためお口のリハビリ、すなわちお口の体操をしてみましょう。
お口を鍛えるにはお口周辺はもちろんですが、まずは背筋を伸ばして飲み込みやすい姿勢を作りましょう。そして飲み込みに必要な筋肉が付着する首、肩の筋肉をほぐしましょう。これらの筋肉が硬いと飲み込みが上手に出来ません。
そしてお口周辺ですが、ほっぺの筋肉、唾液腺、舌(べろ)を鍛えてみましょう。まずほっぺは唇を閉じて空気を頬っぺたに貯め、右、左とぷくぷくさせたり唇をすぼめたりしてください。また「あいうべ体操」と言って言葉の「あー」「いー」「うー」「べー」をしっかり発音して噛む筋肉を鍛えましょう。
唾液腺は口の周りにある唾液を作る組織です。ここをマッサージする事によって唾液が増えて飲み込みが容易となり、また食事を美味しくいただく事ができます。
唾液腺は3ヶ所にあります。耳の前、下あごの内側、下あごの真下です。ここを左右一緒に、数本の指でマッサージしてお口の潤いを保ちましょう。
そして舌(べろ)は飲み込み、発音に大変重要です。鍛え方は舌(べろ)を出す、引っ込める、左右上下に大きく動かすことです。
以上の事を1セットで習慣として行ってみてください。
さあ、皆さん、歯磨きと共にお口の体操を習慣づけて毎日、健康で楽しい食生活を送りましょう。