2021年3月
【火曜】 口臭について
新型コロナウイルス感染症対策としてマスクを長時間つけている方も多いのではないでしょうか。マスクを着けていて、「あれっ、マスクの中が臭う?」と自分自身の口臭が気になった事はありませんか。
今回は口臭についてのお話です。口が臭うと書いて口臭ですが、実はお口の臭いは無臭が理想とされています。
口臭には何種類かあります。
1つ目は、生理的口臭と言われる、多くの人が感じる口臭です。起床時、空腹時等に感じるもので、基本的には治療の必要はありません。原因として睡眠時の唾液の減少や空腹が考えられます。寝ている間は特に唾液の量が減ります。その結果、お口の細菌が増えやすい環境になり口臭の原因になります。お休み前の丁寧なブラッシングや、お口が渇いたと感じた時の水分補給が大切です。また空腹時に感じる口臭は、水を飲んだり食べたり空腹を満たすことにより軽減されることが多いです。
2つ目は、飲食・嗜好品による口臭です。これはニンニク、ネギ、お酒、タバコ等の影響によるものがあります。お酒、タバコに関してはその量を減らしご家庭での丁寧なブラッシングや歯科医院での口腔ケアを受けていただくことにより改善することが多いです。
3つ目は、病的口臭です。鼻、のど、呼吸器系、消化器系、糖尿病などの疾患が原因となる場合や、服用している薬の副作用によりお口が渇きやすくなり、それが口臭の原因になることがあります。これらの口臭に対しては病気の治療により、また処方されているお薬によりお口が渇きやすい場合、可能であればお薬を変えることで改善されることがあります。
4つ目に、意外と多いのが心理的口臭と言って、不快感を与える口臭は認めないにもかかわらず他人に不快感を与える口臭があると思い込むものです。
そして5つ目に、最も一般的な口臭は、むし歯、歯周病、舌苔と言われる舌の汚れ、唾液の減少、口腔内の清掃不良を原因とするものです。口呼吸も口臭が発生しやすくなります。
こうした口臭の改善には、ご家庭でのケアに加えて歯科受診により口腔内の悪玉菌を減らすこと、炎症を抑えることが大切です。健康維持にもつながるので、気になられる方はまずかかりつけ各専門医、歯科医院または口臭外来を受診し治療又は定期的メンテナンスを受けられてはいかがでしょうか。