2021年4月
【火曜】 最近の矯正歯科治療あれこれ
以前は矯正歯科治療といえばワイヤー矯正というイメージでしたが、最近はいろいろな治療法があります。いずれも保険適応にはなっていませんが、大きく分けて「ワイヤー矯正」「裏側矯正」「マウスピース矯正」の3つがあります。お子さん向けにいろいろな取り外し可能な装置による治療法もありますが、今回はこの3つの治療法についてお話します。
まず「ワイヤー矯正」ですが、歯の表面にマルチブラケットという矯正装置を取りつけ、金属製または金属に白くコートしたワイヤーを通して固定し、歯を引っ張って歯並びを整えていく治療法です。この歯に取り付けるブラケットという装置にも金属製の物、見た目をきれいにする物、透明の物、摩擦の少ない物があります。
欠点はどうしても目立ってしまうことです。
次に「裏側矯正」は、ブラケットを歯の表側ではなく裏側に装着しワイヤーを用いた治療方法です。そして「ハーフリンガル」と呼ばれる上の歯の裏側だけに器具を装着し、下の歯にはブラケットを装着するもの、「フルリンガル」と呼ばれる上下両方の歯に器具を装着するものがあります。
利点は表側からは器具が見えず、周囲の人に矯正していることが気付かれにくいことです。
欠点は慣れるまでは特に発音がしにくい、食事がしにくい、器具が表に比べて外れやすいことです。
最後に「マウスピース矯正」は、ワイヤーやブラケットを使わず、1人1人に合わせた完全オーダーメイドのマウスピース型の透明な矯正装置を次々と交換しながら歯に装着し歯を動かしていくものです。
利点は目立ちにくいこと、先ほどの治療法に比べて毎回の診療時間が短いことです。また、ワイヤーなどがないので歯肉炎や虫歯になりにくいことです。
欠点は主治医の指示をきちんと守らないと治療が進まない点です。すなわち、マウスピースを17時間から22時間装着しないといけないこと、きっちりマウスピースを入れないときちんと動かないこと、虫歯にならないように歯をきれいにして装着しなければならないことです。マウスピースの製造メーカーは現在30社程度あり、それぞれ特徴がありますので、詳しくはかかりつけ歯科医、矯正歯科医にてご相談ください。