2021年5月
【月曜】 流行性角結膜炎(はやり目)
流行性角結膜炎(りゅうこうせいかくけつまくえん)とは、「はやり目」と呼ばれる結膜炎です。アデノウイルスというウイルスの感染で起こります。春から夏にかけて流行することが多いようです。
アデノウイルスに感染してから発病するまでの間を潜伏期間(せんぷくきかん)と言います。流行性角結膜炎の潜伏期間は5日から14日の間です。流行性角結膜炎になりますと、結膜が赤くなり、腫れてきて、まぶたも腫れてきます。涙と目やにが多い、痛い、見えにくい、うっとうしい状態が起こります。結膜の赤さと腫れはだんだん強くなります。最初は片方の目に起こりますが、3~4日すると両目に起こります。5~6日で結膜は極端に赤くなり、腫れも強くなります。その後ゆっくりと引いてきます。2週間もすると他人にうつらなくなります。この結膜炎を早く治す薬はありません。結膜炎の炎症は非常に強いので、眼科では症状を抑えるステロイド点眼薬と他の感染症にならないように抗菌剤を処方しています。
流行性角結膜炎は人から人にうつる結膜炎で、その感染力は強いのです。空気感染ではなく、接触感染で、ウイルスがついているドアの取手やタオルなどに触るとその人にうつります。人が集まるところ、学校、会社、プールなどに感染した人が1人でもいると、感染が広がります。
学校や保育所では、流行性角結膜炎にかかると、医師が感染のおそれがないと認めるまで出席・登園停止となります。お子さんの目が非常に赤く腫れているときは眼科医院を受診してください。流行性角結膜炎と診断されれば出席停止の診断書が書かれますので、それを学校に提出してください。他人にうつらなくなった時は出席できますという診断書を書かれます。
また、流行性角結膜炎は家族の間で感染することが最も多いので、流行性角結膜炎で学校を休んでいる間は次のことに注意してください。
1. 使用するタオルは、家族のものとは別にしましょう。
2. 入浴は家族の最後にしましょう。
3. 出来るだけ家族と離れて過ごしましょう。
4. プールには入らないようにしましょう。
5. 目薬を入れるなどして目をさわったあとは、石鹸で丁寧に手を洗いましょう。