2021年11月
【木曜】 クラミジア症
クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスという細菌が子宮や男性の尿道、時にはのどから感染することによって引き起こされます。性行為により精液、おりもの、唾液といった体液から感染します。入浴やコップの回し飲み程度では感染しないと考えられています。クラミジアは、感染しても無症状、もしくは目立った症状が現れず、感染したことに気がつきにくいことがあります。男性の約50%、女性の約80%の方が無症状であるといわれています。症状が出る場合には、膣の中に感染することでおりものが増えたり、おりものの匂いがおかしいと感じることがあります。その後、菌は子宮の入り口から上へあがって行き、卵管に住み着いて炎症を起こします。炎症がひどくなると卵管がつまってしまい、不妊症の原因となります。菌が卵管からおなかの中へ入って炎症を起こした場合には腹膜炎となり、おなかに痛みを感じたり熱が出ます。また、クラミジアがのどに感染した場合も、特に目立った症状がないことがほとんどです。妊婦さんが感染している場合、流産の原因となったり、出産するときに赤ちゃんが感染してしまう危険性があります。検査は、男性の場合は尿、女性の場合はおりものをとって菌がいないかを調べます。クラミジアに感染している場合には淋菌など、ほかの性感染症にもかかっている可能性があるため、同時に検査を受けることをお勧めします。
クラミジア感染症の治療には、抗生物質が用いられます。通常は飲み薬で治りますが、点滴が必要になる場合もあります。パートナーにも感染している可能性が高いため、自身が治療を受けると同時にパートナーも検査や治療を受けて頂く必要があります。治療後は2〜3週間経ってから、再度病院で検査を受け、治っていることを確認する必要があります。治っていることを確認出来るまでは、パートナーへうつしたり、再度うつされてしまう危険性があるため、性行為は控えて下さい。何か心配な点があれば、婦人科へご相談下さい。