兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2021年11月

【火曜】 入れ歯の取り扱いについて

 入れ歯は外観はもちろんのこと、会話をしたり食べ物をかみ砕いたりする能力を補う役割があります。

 今までの入れ歯といえば、夜は外して洗浄剤に一晩浸けて寝るというのが主流だったかもしれません。しかし、本来あるべき所に入れ歯を補ったにもかかわらず、寝る時は外すっておかしいと思いませんか?歯ぐきを休めることも必要なのですが、高齢者の介護施設などにおいては、食事の時にだけ入れ歯を装着し、それ以外の時は外して一括管理している所もあるようです。管理を簡単にするためには致し方ないのかもしれません。

 しかし、それでは食事の僅かな時間しか入れ歯が入っていないため、上下の歯が本来の高さで咬み合わず、ただでさえ筋力の低下している高齢者の場合、舌を上げることができず、かえって食べ物をかみ砕く力の低下を招くことになってしまいます。

 また近年私たち人間は他の動物とは異なり歯で獲物を捕まえたり、攻撃的な武器として使うのではなく、それらの攻撃性を歯ぎしりすることでストレスを発散すると考えられています。就寝中の過剰な歯ぎしりから残った歯を守る意味でも夜間の入れ歯の装着は重要ではないかと思われます。

 しかし、一方で高齢者において就寝時の入れ歯の装着が肺炎の原因になるとも言われていますが、これらを予防するためには、お口の中をしっかりキレイにし、入れ歯も洗浄液による除菌をしっかりして、装着しましょう。このような手入れが行われていれば、肺炎のリスクも上がることはないと思われますが、夜間も入れ歯を入れてよいか、是非歯科医師にご相談ください。

 お口の中は歳をとってからも変化を伴うため、一度入れ歯を入れたら終わりではなく、定期的に検診を受けることが大切です。痛みや違和感のある場合は無理をせず、また1本の入れ歯のように飲み込んでしまう恐れがある場合は、バネの調整をしてもらうなど、歯科医師にご相談ください。

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