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健康情報テレホンサービス

2021年12月

【金土日】薬に頼らない不眠治療

 慢性的な不眠に対する非薬物療法として、睡眠指導と認知行動療法が挙げられます。睡眠指導とは、不眠の要因となり得る環境や行動を取り除くための生活指導です。認知行動療法とは、高い効果が実証されている治療法で、不眠の持続要因となっている行動や考え(認知)に対して,患者さんの主体性を引き出しながらアプローチしていく方法です。

 睡眠指導と認知行動療法について,ご紹介します。

 睡眠指導では、睡眠に関連する環境や行動についての生活指導を行います。 例えば、就寝前の刺激物は避ける、寝室を快適にする、規則正しい生活を心がける,深酒は避ける、眠たくなってから床に就く、などが挙げられます。最近では、暗い寝室で長時間スマホを眺めない、なども挙げられるでしょうか。睡眠についてこのような知識を患者さんにお伝えし,不眠の改善に関わっていただきます。

 認知行動療法とは、気分や症状が、考え(認知)や行動によって影響されるという理論です。認知行動療法の考えでは、不眠が持続する仕組みとして、考えと行動がお互いに作用していると仮定し、考えと行動にアプローチして不眠の改善を目指します。その方法として以下のことが挙げられます。

1 睡眠日誌を記入する

起床時間、入眠時間などの睡眠日誌をつけることで,自分の睡眠状況を客 観的に把握できます。睡眠前の行動 ( 飲酒など)も記入しておくと,行動 と睡眠の関連が見えることもあります。

2ベッド上で過ごす時間の制限

ベッドと睡眠を結びつけるためにベッドでの睡眠以外の行動を減らします。そうすることで,"ベッドで横になる=睡眠"という意識づけを強くすることが出来ます。横にならない時間(つまり起きている時間)を長くすることで, 睡眠と覚醒のリズムを整えることも出来るでしょう。

3 心配の枠づけ

就寝時間に心配事が浮かんできて寝付けない状況を少なくするために行います。心配事に対して取りうる対処法を事前に考えておき、就寝時に心配事が浮かんできたら確認できるよう、紙に書いておきます。

 

 これらは睡眠指導や認知行動療法のほんの一例です。ご自身の睡眠について気になる点がありましたら、かかりつけの医師に是非ご相談下さい。

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