2022年1月
【金土日】心身症
心身症は精神科だけが関わる疾患ではありません。主に内科系の医師が対応しています。学会の定義はありますが、それはさておいて、一般の方々にとりましては、強いストレスを感じた時、その反応として表れる身体症状を指します。
同じような事柄に当っても、人により対応が異なり、その事柄がストレスにならないか、なっても人によっても強弱があり、その対応についても、悲観型、 攻撃型、忍耐型等、様々です。
私共は意識があるなしにかかわらず、癖、習慣の連続で生活しています。また、この癖、習慣が健康や幸せに向いていれば良いのですが、病気や、不幸の引金になるものなら、改める必要があります。治療に当たっては、患者さんが意識している癖や習慣は、どこを改めればよいかが分かりやすいのですが、無意識の事がらを改めて考えることが難しく、言葉の選び方も問題になります。単刀直入には入り込めず,褒めながら回りくどく接点を探します。 なお、無意識は口癖になって現れることが多いといわれています。
ある研究者が、プラス回路とマイナス回路という考えを発表しました。それは人を喜ばせたり、褒めると、褒めた人、褒められた人両方にプラスの回路が働くといい、プラスの回路が働くと、オキシトシンやエンドルフィンや、セロトニンという良いホルモンが溢れ、悲しい時や怒った時には、良いホルモンが消え、反対にマイナス回路が働き、ストレスホルモンが増えると発表していました。また、別の研究者は、幸福な人の脳波は幸せの波が増え、恐怖を示す波形が減っていると述べていました。
プラス回路を働かせるには、相手の長所を探して褒めましょう。うっとうしいと思わずに実行して下さい、相手も、自分も両方にプラス回路が働きますから、お互いのためにも良い結果が得られます。
ただ良い習慣でもそれが身につくのには、時間がかかりますが、実行を積み重ねますと効果が出てきます。問題を一人で解決するのは困難で、良い話し相手となる主治医やカウンセラーを見つけて相談に乗って頂きましよう。
心身症の治療の最終目標はポジティブ回路を固定させ、幸せ人間を作ることと考えています。