2022年1月
【火曜】 歯医者さんが往診してくれる?
皆さんは、訪問歯科診療というものをご存知でしょうか?
実は歯の治療をご自宅や施設、病院などで受けられるようになっています。
当然、対象者は限られており、基本的に歯科医院に通院することが困難な方が利用できるようになっています。
具体的な例を挙げてみると、要介護の方、障害者の方、事故や病気で入院している方などです。また、訪問歯科診療を受ける場合は、その歯科医院との直線距離が16km以内であることも条件の1つになっています。もちろん、保険適応の診療になりますので、保険証に応じた費用での受診が可能です。伺う場所によっては、介護保険の費用もかかります。
ここで気になることは、せっかく歯医者さんに来てもらっても誤嚥性肺炎の予防のための口腔ケアや、入れ歯の調整ぐらいしかできないのではないかということです。
しかし、現在は歯を削る機械、歯石を除去する機械はもちろん、レントゲン写真の撮影も可能になっていますので、訪問診療とはいえ、しっかりとした診断のもとで治療を受けることができます。
また、歯型をとり、銀歯や入れ歯を作製したり、神経の治療をすることもできるのです。
つまり、歯科医院で行う治療の大半ができるようになってきています。それに加えて、飲み込みが悪い方への摂食嚥下のリハビリなども行うこともできるので、食事ができなくなってきているという方の診察も行うことができます。
入れ歯が合わないけど通院できないので諦めている、歯が抜けてしまい食べられない、飲み込みが悪くなり食事がしにくくなった、というような方や、そのような方が周りにいらっしゃるという方は、一度ケアマネージャーさんや訪問歯科診療を行っている歯医者さんにご相談頂ければと思います。
年齢を問わず、人生の楽しみの中で食事はとても重要です。
その喜びを少しでも感じられるように、訪問歯科を活用して頂きたいと思います。
もしお困りの方がいらっしゃいましたら、兵庫県保険医協会までお問い合わせ下さい。