2022年2月
【水曜】 肉離れ
肉離れとは、筋肉が強く収縮したときに筋肉の一部の繊維などが損傷したり断裂したりする状態で、典型的なものはスポーツ時のダッシュやジャンプなど急な動作を行ったときに起こります。肉ばなれを起こした瞬間に激しい痛みを感じて動けなくなる時もありますが、その時に気付かず、後で痛みを感じる軽症の事もあります。よく起こる部位は足のふくらはぎとふとももですが、ふとももの後ろにある筋肉であるハムストリングの肉離れの場合、受傷直後から全く歩けなくなり、あとで皮膚の広い範囲に内出血が出現する場合もあります。診断はエコーやMRIでの画像診断が有用ですが、典型的な部位に圧痛があればまず肉離れと判断でき、歩けない場合は重症ということになります。最近ではエコーを導入している整形外科が増えておりますので、今までよりも簡単に診断ができるようになっています。治療は肉離れの部位と重症度によって異なりますが、まずはその部位の安静と氷で冷やすアイシング、サポーターや包帯などでの圧迫と足をあげることが重要となります。軽症の場合は2~3週間の安静で治ることが多いですが、筋肉の部分断裂がおきて筋肉の中に血種ができているような重症の場合は歩行時に松葉杖を使用し6~8週間の安静が必要な場合もあります。まずはお近くの整形外科を受診していただくことが大切です。
肉離れの再発率は比較的高く、痛みが改善したらすべて治ったと思い込みすぐにスポーツを再開してしまうとすぐに再発してしまいます。スポーツ復帰の時期は医師とよく相談し軽い練習から徐々に再開することをお勧めします。また、肉離れにならないように予防することもとても大切で、日頃からストレッチをする習慣を身につけ、筋肉や関節の柔軟性をつけておくことが必要です。楽しくスポーツを続けたり、健康に日常生活を送るためにも、短時間でもよいので日々こつこつとストレッチや簡単な筋肉トレーニングをする時間を作っていただくことをお勧めします。