兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2022年3月

【金土日】新型コロナウイルス感染症のこれから

 新型コロナウイルス感染症は2019年1月からわが国でも感染が確認され、2020年には喜劇俳優の志村けんさんや、タレントの岡江久美子さんが不幸にして命を落とすこととなりました。これらのことが強いインパクトとなり、緊急事態宣言が発令されました。ヒトからヒトに感染する病気ですから、ヒトと接する機会を制限することは感染をコントロールするためには必要でそのためには必要な判断だったと思われます。

 ただし、新しい感染症を克服するためには、その病気に対する免疫を獲得し、適切な治療法を確立する必要があります。この目的でワクチンが開発され、重症化予防や、感染拡大抑制に効果をあげました。さらに最近では発症早期にコロナウイルス抗体を点滴する治療も確立しました。さらに抗コロナウイルス作用のある飲み薬も使用が始まりました。従来の感染症と異なり、新型コロナウイルスは、ウイルス自体が早い段階で増殖しなくなり、異常をきたした免疫反応が病気を悪化させます。このため、抗体カクテル療法や、抗ウイルス薬も発症早期の治療が必要となります。発熱を主体とする風邪症状が出現したら、早く医療機関を受診し、PCR検査を受けましょう。感染して、かつ重症化リスクのある場合には、これらの治療を早期に受けることが肝要です。

 ただ、中には、免疫反応が暴走して、重症化することがあります。長期に続く発熱と、酸素濃度の低下は重症化の指標です。この時期には免疫反応を制御する治療が必要になります。いずれも治療のタイミングが重要で、早い段階での抗ウイルス対策と、適切な時期での免疫反応のコントロール、この2本柱が確立すれば、この疾患を克服できたことになります。それまでは引き続き注意深い生活を続けてください。

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