2022年5月
【火曜】 臍ヘルニアとは
臍ヘルニアとは、臍がでっぱり、その中に腸が飛び出した状態です。いわゆるでべそです。うまれたばかりの赤ちゃんの10人のうち約1人にみられます。
赤ちゃんがお母さんのお腹にいるとき、臍の緒で繋がっていますが、生まれたあとは乾燥してなくなります。へその緒の部分は皮膚や、筋肉に穴が空いている状態ですが、臍の緒がとれた後に穴は閉じます。赤ちゃんは泣きますので、お腹の圧が強くかかってこの穴から腸がとびだすことがあります。この状態を臍ヘルニアといいます。
臍の穴が閉じるまで、圧迫療法といって、飛び出したお臍を圧迫して治します。
圧迫の仕方にはコツがありますので自己判断で行わないように注意しましょう。必ず、小児科・小児外科のある病院を受診していただき、経過をみながらすすめていきます。
治るまでの間の注意点はほとんどありませんが、激しく泣き続ける状態が続くなど強い腹圧がかかり続けると、臍のでっぱりが戻らなくなることがあります。腸が臍の穴から脱出して、締め付けられる状態です。この状態を臍ヘルニア嵌頓と言います。脱出している部分が真っ赤に腫れ上がり、または紫色に鬱血して、場合によってはカチカチになって痛みを伴います。そのままにしていると腸が腐ってしまって、腸を切除する手術が必要になることがありますので、緊急で処置が必要です。
とても怖い話ですが、臍ヘルニア嵌頓の状態になることは非常に稀です。過剰に心配する必要はありませんが、お子さんが臍をとても痛がっている様子の場合は、医療機関に相談しましょう。
臍ヘルニアは基本的には2歳までに90%が自然に臍の穴が閉じて治るといわれています。
2歳をすぎても穴が塞がらない、または穴は塞がったが、臍の皮膚がとびだしたままで気になるという場合には手術を考えます。
赤ちゃんのお臍の飛び出し、臍の形が気になる場合は一度、小児科・小児外科の医療機関へご相談ください。