兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2022年7月

【金土日】不安神経症

 私どもが日常生活を送っていく中で、人によっては、根拠のない不安や心配事に襲われることがあります。このような状態は、以前は不安神経症と言われていました。今は、不安障害や不安症候群などと、別の病名がつけられることもありますが、治療方法は変わりません。心配事が原因で、色々な症状が出てきます。めまい、立ちくらみ、冷や汗、動機、息苦しさ、足のすくみなど、が挙げられます。

 これらの治療は、薬を使う場合もありますが、薬を使わない認知行動療法という方法が多く使われています。認知行動療法は、認知にはたらきかけて、考え方や行動を変えていく方法で、薬物療法より効果は大きいです。認知という言葉を聞いた時、認知症のお年寄りなどを想像する方がおられるかもしれませんが、認知という言葉の本来の意味、ある物事が起こった時にどう受け取り、どう考えるか、という意味に解釈して下さい。

 結果からいいますと、ある出来事が起こった時、自分は何を考え、何をしたか、ということになります。

 一例を挙げてみます。ある男性の患者さんで、容姿は端麗、学力優秀、収入も多いという若い方がおられました。しかし、異性に縁がないということで、結婚できないのではないかと心配して相談に来られました。相談を受けた時、生い立ちや両親との関係などを尋ねたところ、その男性は母親が大嫌いということでした。そこで、ある人が「親のことが嫌いだという人は異性にもてない」と言っていたということを伝えました。すると、その男性は、母親が文句を言いたそうなとき、いきなり抱きついて「お母さん大好き」と言うことを繰り返しているうちに、母親も抱きつかれると文句が言えなくなる、と矛を収め、怒ることがなくなったそうです。そうすると、彼をとりまく周囲の事情が変わり、女性の友達が増えたということです。

 出来事と結果との間に、今までと違う考え方を導入して、成功した一例です。

 何を導入するかは、主治医の先生やカウンセラーと相談して下さい。良いヒントをいただけると思います。

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