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健康情報テレホンサービス

2022年7月

【木曜】こどもに多い包皮亀頭炎について

 もし小さな男の子がおちんちんが痛いと訴えていたら、それは「亀頭包皮炎」かもしれません。

  まだ年齢の小さな男の子は、おちんちんの先端まで皮膚をかぶっている、いわゆる「包茎」という状態が普通です。

そのため、おちんちんの先端部分である亀頭と、亀頭を覆う皮膚の間のスペースに垢がたまり、そこに細菌が繁殖して炎症が起こることがあり、これを亀頭包皮炎といいます。

小学校入学前の時期に発症することが多く、成長に従って発症頻度が減少し、免疫力が高くなる中学生くらいになるとほとんど発症しなくなります。

  よくみられる症状としては、おちんちんの先端の皮膚が赤く腫れて触ると痛がる、先端から黄色っぽい膿が出るなどがあります。

  病院を受診すれば、ほとんどの場合は見ただけで診断がつきます。

 気になる症状があれば、早めに泌尿器科を受診するのがお勧めですが、近くに泌尿器科が無ければ小児科で相談してもよいでしょう。

  治療としては、無理のない範囲で皮をむいて膿をだし、抗菌薬入りの軟膏を塗ります。炎症がおちんちんの根元側にまで広がっている場合など、症状がひどい時は抗生物質の内服治療が必要になる事もあります。いずれの場合でも、多くは数日で治ります。

 予防としては、汚れた手でおちんちんを触らないように教えてあげることが重要です。外から帰ればまずは手を洗い、それからトイレに行くように教えてあげてください。

 また、入浴の際には痛くない範囲で包皮の先端を剥いてから、先端を優しく洗う習慣をつけることがお勧めです。痛がるのに無理に皮を剥いたり、おちんちんをスポンジでごしごし洗ったりするのは、包皮に傷がつきやすくなるので止めてください。

  基本的には、子供のおちんちんはみんな包茎ですので、包茎そのものは特に気にすることはありません。ただ、包皮亀頭炎を繰り返す場合や、包皮先端が極端に狭くて排尿に影響をきたす場合など、包茎に対する治療が必要となるケースもまれにあります。

 心配事があれば、ぜひ医療機関に相談してみてください。 

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