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健康情報テレホンサービス

2022年7月

【水曜】コロナ後遺症

 新型コロナウイルスに感染した方の半数以上になんらかの後遺症が残ることが知られています。具体的には倦怠感、味覚や嗅覚の障害、動悸、胸痛、息切れ、咳、集中力の低下、ブレインフォグ(頭に霧がかかったような感覚)、うつ、脱毛など実に多彩な症状です。女性のほうに後遺症が見られやすく、肥満も後遺症リスクになります。急性期は軽症で経過しても半年後に4人に1人に後遺症が見られます。1年後でも約1割の人に症状が持続すると言われているので、後遺症は決して侮れません。特に第6波のオミクロン株は比較的軽症でも後遺症のほうが目立つので「後遺症の病気」と表現する医師もいます。

 めでたく隔離解除になっても、1ケ月~3ケ月間以上、会社や学校に行けず家で寝たきりに近い状態になっている人が沢山おられます。コロナ禍が始まり2年以上経過しましたが、大きな波が収まった後には必ず深刻な後遺症で悩む人が増えてきます。しかし後遺症の発病の仕組みや治療法は医学界では明確になっていません。漢方薬、亜鉛製剤、ビタミンDなどの薬物療法、種々のサプリメント、耳鼻科では上咽頭擦過療法、鍼灸院では鍼灸やリラクゼーション法など様々な治療が行われています。慢性疲労症候群のようにとにかく疲れ易いという人は積極的な運動やリハビリが後遺症を悪化させてしまうことがあるので注意が必要です。

 多くの患者さんは、脳外科、神経内科、耳鼻科、呼吸器内科、循環器内科、皮膚科、東洋医学科などを転々としています。諸検査で異常を認めないケースが大半のために「気持ちの問題」と言われ、最終的に精神科を紹介されることが多いようです。しかし周囲の理解が得られず辛い思いをしている方が沢山おられます。

 大きな病院では「後遺症外来」が開設されていますが、患者さんが多すぎて予約がかなり先になります。軽い後遺症の人は地域の「かかりつけ医」で診てもらえるような体制造りが大きな課題です。また後遺症への理解が社会全体で広がることが必要です。国も2億円の予算を付け、後遺症の調査を始めました。後遺症の仕組みの解明や治療法の確立、そして、社会的・経済的な救済策を整備することが急務です。

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