2022年9月
【火曜】 マスク生活で唾液の力が低下!?
新型コロナウイルス感染予防のため、日常生活でマスクを着用するようになりました。新しい生活様式に欠かせないマスクですが、肌荒れや頭痛、肩こりなど、様々なトラブルに悩んでいる方も少なくないと思います。
実はお口の中にも、影響が出ることがあります。例えば、「口臭が気になる」「口の中がネバネバする」と感じたことはありませんか?
もしかしたらそれは、マスク生活で唾液の量が減り、唾液の質が落ちることによる唾液力の低下かもしれません。
私たち歯科医師・歯科衛生士は、コロナ禍前と比べて、口腔内環境の悪化や唾液力が低下している患者様が多くなったと実感しています。
このような患者様が増えたのは、新しい生活様式によるストレス・会話量の減少・運動不足・マスク着用による水分摂取の減少や暑さ、息苦しさからの口呼吸などが原因なのかもしれません。
唾液力が低下することにより、口臭の悪化・虫歯・歯周病など、口腔内のバリア機能が低下し、様々な健康リスクが生じてしまう可能性があります。
ちなみに歯周病は、心疾患、がんや脳血管障害、糖尿病、関節リウマチ、最近では認知症など、様々な全身の病気にも大きな影響を与えるといわれ、注意が必要です。
マスク生活において唾液の力を高めるための方法としては、脱水状態にならないようにこまめな水分補給をすることです。
また、口呼吸にならないように、マスク着用時でもなるべくゆっくり鼻呼吸をするように意識し、積極的にお口を動かすようにしましょう。
そして、マスクは刺激の少ない肌に合った素材を選び、清潔な状態で使うことも大切です。
まだまだ、マスク等の感染対策は続きそうです。お口の健康は全身の健康につながりますので、唾液力が低下しないように心がけてほしいと思います。
何か気になることがありましたら早めに医師・歯科医師に相談することをお勧めします。
なお、唾液の役割やトラブルについては、兵庫県保険医協会ホームページから、左下の「健康情報テレホンサービス」をクリックし、2020年6月火曜日の「大丈夫ですか?あなたの唾液」を、ご参照いただければ幸いです。