兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2022年9月

【月曜】 水泳と目の障害について

 コロナ禍で2年間中止になっていた学校の水泳授業が再開され、夏のレジャーとして家族や友人と海やプールに出かけた方も多くいらっしゃったことと思います。この時期、起こりやすい眼の障害として、細菌やウイルスやアレルギー性の結膜炎、一般にものもらいといわれる霰粒腫や麦粒腫、紫外線眼症や外傷などがありますが、最近では、目から鼻に涙が抜ける排出路が狭くなる涙道狭窄症が習慣的にプールに入る方に多いこともわかってきました。

今回は水泳と目の障害について、気を付けていただきたいポイントを2つお話したいと思います。

1つ目は、プールの後の洗眼について。

以前は上を向いた洗眼用の水道蛇口がよくありました。昔はガラス製ゴーグルが多く、破損に伴うけがの発生を避けるため、使用禁止とした学校が多かったことや、プールの水質管理がしっかりしていなかったことがあり、感染症を防ぐためにもしっかり洗う必要があったのです。その名残で、目の違和感がでると水道水で目を洗う方がかなりおられます。しかし、水道水で目を50秒以上すすぐと、目のゴミと一緒に涙の粘液成分が洗い流され角膜が傷ついて細菌やウイルスに感染しやすくなることがわかってきました。プール後の眼の不快感は塩素により一時的にドライアイになっているケースが多いです。できるだけ涙の成分に近い人工涙液を点眼するようにしましょう。ドライアイがあるかどうかは、まばたきをせず10秒間目を開けていられるかどうかで簡単にチェックできます。また細菌感染以外での、抗生物質入りの点眼薬の使用は耐性菌の出現を引き起こし、本当に必要な時に抗生剤が効かなくなってしまう可能性があります。

 2つ目は、コンタクトレンズをつけたままプールに入らないこと。プールでコンタクトレンズを使うことの弊害は意外と知られていません。「ゴーグルをすればOK」「プールの中をウォーキングするだけだから大丈夫」と考えている人も多いようです。涙と海水やプールの水では浸透圧が異なるため、水を多く含むソフトレンズは変形を起こします。コンタクトレンズ使用者が海やプールに入る場合、度付きゴーグルをつけることをお勧めします。

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