2022年12月
【火曜】 乳歯のむし歯は永久歯に影響するの?
「乳歯は永久歯に生え変わるからむし歯になっても大丈夫」と思われている保護者の方もおられるかもしれません。
実は乳歯のむし歯は永久歯に多くの悪影響を及ぼしてしまいます。大きくは、➀永久歯の歯並びが悪くなる、②永久歯がむし歯になりやすくなる、③永久歯の色や形に問題が生じることがある、の3つの悪影響です。
まず、乳歯がむし歯になり、形が変わったり早期に抜歯となってしまった場合、隣の歯が動いてしまったり歯の生え変わりの時期が遅くなったりすることがあります。結果として永久歯の歯並びが悪くなり、将来お子さんがむし歯や歯周病になりやすくなったり、食べ物をうまく噛めないことによる偏食や栄養不足、人前で歯を見せて笑うことができないなど内面的にも影響を及ぼしかねません。
また、乳歯のむし歯を治療しないままでいると、お口の中でむし歯菌が増え続け、永久歯がむし歯になりやすい環境になってしまいます。生えたての永久歯は歯の質が未熟で軟らかいため、むし歯になるリスクがさらに高まります。たとえ乳歯のむし歯を治療したとしても、歯磨き習慣や食生活習慣を改善しないと、またむし歯になってしまいますので注意が必要です。さらに、治療をしないまま乳歯のむし歯が悪化してしまうと、乳歯の根の先にばい菌の塊である膿(うみ)が溜まります。その溜まった膿によってその下から生えてくる永久歯が正しく成長できず、歯の色や形に問題が生じたり、生える位置や生える時期に異常が生じてしまいます。
乳歯時期の幼いお子さんには歯の重要性やむし歯の怖さ、その後の苦労が分かりません。およそ3歳くらいで乳歯が生えそろい、よく噛みだしますので、日々の生活で大変忙しいとは思いますが大切なお子さんが将来自分の歯で困らず健康で過ごすために、小さい頃から保護者の方のサポートが必要です。もしお子さんのむし歯に気づきましたら放っておくのではなくできるだけ早めに歯科医院を受診させてあげて下さい。