2023年1月
【月曜】 キラキラしたものが見える病気(閃輝暗点と光視症)
「キラキラしたものが見える」「ピカピカして光っているものが見える」「稲妻が走っている」といった症状を経験され、しばらくすると消えてしまった。何だったんだろうと思う経験をなさる方は少なくないと思います。これらには、目の網膜と硝子体、すなわちカメラでいうフィルムとレンズの部分に原因がある「末梢性光視症」と、頭の中の血管の収縮が関与する、「中枢性光視症」が含まれます。
末梢性光視症はいわゆる「光視症」です。ご自身でどちらの目が光っているか分かる状態です。目の中の網膜が硝子体を引っぱって暗い所でピカピカキラキラ光り、飛蚊症とともに見られます。中枢性光視症はご自身ではどちらの目に異常があるかわかりません。これがいわゆる「閃輝暗点」で、歯車のようなギザギザした光が中心部から同心円状に拡大してゆき普通は30分以内に消えます。眼科の診療では閃輝暗点が収まって無症状になる方がほとんどです。
しかし、30歳代の若い女性では閃輝暗点の後には頭痛を伴うことが多いと言われています。一方、頭痛を伴わないタイプは少し年配の女性で、頭の中の血管が収縮して閃輝暗点が起こり、その後に頭の中の血管が拡張して片頭痛が起こることがあります。いずれにしても女性に多い病気です。
対処法は、ピカピカ光る症状がすぐに消えても必ず眼科を受診されることをお勧めいたします。眼科では眼底の詳しい検査や視野検査を中心に検査を行います。目の検査に異常がないとなれば次は頭の中に異常があるかどうかを調べることになります。診察の結果で何もしないで様子を見ることも多いと思います。勇気を出して受診し、あるいは眼科で勧められた場合は念のため頭部CTや頭部MRIの検査を受けておくともっと安心できます。閃輝暗点では頭の検査でどの部位に異常があるかを中心に検査をすることになります。
治療は目の中、そして頭の中の大きな異常がない場合は飲み薬を処方するケースもあります。閃輝暗点が起こる兆しに気づく人に予防的に血管を拡張させるお薬を服用していただく場合もありますが絶対的な治療ではありません。