2023年2月
【木曜】 大腸憩室炎
大腸憩室炎という病気を聞いたことはありますでしょうか?今回は大腸にできるポケット状の袋にバイ菌がついてお腹が痛くなる病気、大腸憩室炎についてお話します。
大腸憩室とは、大腸の壁が外側に向かって風船のように飛び出て袋状になった状態のことです。憩室は一度できると自然消滅することはありません。憩室を持っている人は年齢とともに増えます。40歳以下では5人に1人、50歳以上なら3~4人に1人はもっています。さらに80歳以上なら2人に1人は憩室を持っています。
大腸憩室炎とはポケット状に飛び出た憩室にバイ菌が増えて炎症を起こした状態のことです。大腸憩室炎の症状は腹痛が多いのですが、炎症が軽い時にはお腹の違和感、はり感な程度のこともあります。さらに炎症がひどくなると、熱がでたり、腹膜炎を起こして強い腹痛を引きおこしたりすることがあります。
大腸憩室炎は昨今の食事の欧米化に伴って増えてきています。
診断は症状の経過を聞いたり腹部の診察をすることからはじまります。血液検査、CT、大腸内視鏡などを併用して診断をつけます。
治療法は腸をやすめることと抗生物質の投与です。軽症であれば通院治療が可能です。症状がひどければ入院する必要があります。入院して絶食、点滴、抗生物質の投与となります。さらに症状がひどい時にはお腹の中にたまったうみを外に出すチューブを入れる外科的な処置が必要となることもあります。
生活で気を付けたいのが便秘にならない生活習慣を目指すことです。便秘をきっかけに憩室炎がおきやすくなります。日頃から食物繊維の多い食事を心掛け、水分補給をするなど便秘にならないように気を付けましょう。野菜をしっかりととりお肉や脂肪分の多い食事を控えましょう。
大腸憩室炎は適切な治療を行えば恐れることはありません。しかし腹痛を放置しておくと重症化することもあるので、これぐらいの痛さなら大丈夫と我慢せず早めに専門医を受診しましょう。