2023年4月
【月曜】 翼状片について
翼状片は角膜の鼻側に入りこんできた、三角形の白色の出来物です。
翼状片の本体は白目にあたる結膜の下の組織が異常に増殖した良性の腫瘍です。結膜は血管が豊富で、この腫瘍は結膜を巻き込みながら大きくなるので、進行すると角膜が充血しているようにみえます。
翼状片の原因は不明ですが、外で太陽光線を浴びて作業をする人によくみられます。
翼状片の症状として、見た目の充血を自覚、もしくは家族に指摘されて来院される方が多いです。また、角膜は透明なドーム状の形状で、翼状片により鼻側に引っ張られるとひしゃげてしまい乱視が強くなります。そのためにメガネが合いにくくなります。
さらに翼状片が角膜中央の黒目にあたる瞳孔付近まで侵入すると、メガネで矯正できないくらい視力が低下します。
翼状片の角膜への侵入がわずかであり、充血があまり気にならない場合は何もしないで経過を観ることとなります。違和感や充血の軽減目的で予防的に点眼液を処方することもありますが、翼状片は目薬などでは完全に予防できません。
翼状片が瞳孔付近まで侵入すると、手術後も角膜に濁りが残り視力が回復しないので、そうなる前に手術が必要となります。乱視が強くなり眼鏡での矯正が難しくなった場合や、見た目の充血が気になる場合も手術の適応となります。
手術は点眼と結膜下注射による局所麻酔下で行います。手術中に角膜をこするため、術後4-5日くらいは目の表面に痛みや違和感があります。また、術後はしばらく充血します。
翼状片は手術により取り除くことができますが、手術後に約4割で再発します。特に腫瘍の成長が早いものや、血管が多く侵入しているものほど再発する可能性が高く、再手術が必要になります。気になることがあれば早めに眼科を受診しましょう。