2023年5月
【金土日】蜂窩織炎
蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、細菌が入ることで、皮膚が赤く腫れあがってしまう感染症のひとつです。「蜂巣炎(ほうそうえん)」とも呼ばれています。
原因は、真皮~皮下組織(脂肪)と皮膚の深い層が細菌に感染することで起こります。原因となる主な細菌は、レンサ球菌とブドウ球菌です。アトピー性皮膚炎、水虫の方などは皮膚が傷ついていることが多く、細菌が入りやすく、蜂窩織炎にかかりやすいです。また、足の静脈の血流が悪い方やリンパ浮腫の方、立ち仕事で日頃からむくみがみられる方は、リンパの流れが悪いため、細菌・ウイルスに対する防御機能が低く、蜂窩織炎にかかりやすいとされています。
症状は、虫刺されのような赤いぶつぶつができ、急に広く赤く腫れあがります。患部は熱を持ち、触ると痛みを感じることもあります。蜂窩織炎は感染症のため、細菌を退治しようと免疫反応が起こり、発熱、悪寒、関節痛などを生じることがあります。場合によって、40度近い高熱になったり、細菌が血流に入り、菌血症や敗血症になることもあります。なお、感染症ですが、人にうつることはありません。
診断の基本は、症状と過去の病歴などを確認した上で行います。ただし、感染の状態や合併症の疑いがある場合は、原因菌を特定するため、血液の細菌培養検査などを行うことがあります。
治療は、原因となる細菌を完全に死滅させなければ再発してしまうため、抗生物質での治療を1~2週間行います。症状が軽い場合は、飲み薬での治療を行いますが、発熱などがある場合は、入院治療が必要になることもあり、点滴による薬の投与を行うこともあります。
症状によって治療期間が長くなることもありますが、再発防止のためにも、しっかりと完治するまで治療を続けることが重要です。