2023年5月
【木曜】 食道がん
食道とは、のどと胃の間をつなぐ管状の臓器であり、食物が通りやすいように粘液を出して、口から食べた物を胃に送る働きをしています。食道の粘膜から発生するがんが食道がんです。
食道がんと診断される人数は、10万人当たり男性が35人、女性が7人と圧倒的に男性が多く年齢層も50代で増え始め、70代でピークになります。
初期段階で発見されれば5年生存率は75%以上ですが、遠隔転移などをきたせば20%に下がります。
では、食道がんはどうしておこるのでしょうか。主な原因としてタバコやアルコールが挙げられます。ヘビースモーカーやアルコール摂取量の多い人、それ以外にも、熱いものを好んで飲む人、お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる人、食道アカラシア、バレット食道といった胃食道逆流症に関わる病気を持っている人は要注意です。
食道がんの症状ですが、初期症状は自覚症状のないことがほとんどです。進行するにつれて、飲食時の胸の違和感や胸のつかえた感じ、胸や背中の痛み、咳、声がかすれる、げっぷ、体重減少などの症状が出てきます。
治療方法ですが、大きく分けて内視鏡的切除、外科的手術、放射線治療、薬物療法(化学療法)があり、病状にあわせて単独であったり組み合わせたりの治療を行います。早期の食道がんの場合だと、外科的手術を必要とせず、内視鏡で切除できるので、早期に病気を見つけることはとても大切です。
食道を調べるには、どのような検査をするのがいいのでしょうか。大きくは2つあり、バリウムを使った胃透視検査と、胃内視鏡検査になります。
早期食道がんは検査で偶然発見されることも多く、自覚症状が出てからだと、進行している場合が多くみられます。特に先ほどお伝えしたハイリスクの方には、症状の出ていない間に検査をすることをお勧めしますので、内科や消化器内科の医師に是非とも相談してください。