2023年6月
【火曜】 在宅療養費を軽減・助成する制度
まず、医療に関わる負担を軽くするための制度についてお話します。
現在の医療保険制度では、保険料を納めること、医療を受けた時の費用の一部を窓口で負担することが義務とされています。この一部負担金は、在宅療養でも支払いが限度額を超えた場合、高額療養費支給制度を受けることで支払を少なくすることができます。この制度は、限度額を超えた支払額が後日還付される制度ですが、負担が高額になることが予想される場合は、あらかじめ「限度額認定書」を発行してもらえば最初から負担が軽くなります。
次に、窓口負担金そのものを助成する制度として、大きく分けて2つあります。
1つ目は国の公費負担医療制度で、これにはパーキンソン病などの「特定疾患治療研究事業」や、認知症やうつ病などの精神疾患の治療費を助成する「障害者自立支援医療制度」などがあります。在宅で受けている医療がこれに当てはまるかどうか、主治医に確認してみて下さい。
2つ目は自治体の医療費助成制度です。これは身体や精神、知的の各障害者手帳を持っている方や、ひとり親世帯、子どもを対象に自治体が医療費の自己負担分を助成するものです。助成の対象については自治体によって違いがあります。ぜひ主治医と相談して、それぞれの手帳の取得とあわせて申請することをお勧めします。
保険料の負担についても、先ほどの各障害者手帳を持っておられれば「税の障害者控除」を受けることができ、所得税から住民税、各保険料の軽減にもつながります。
また、この障害者控除は手帳を持っていなくても、「要介護認定」を受けていれば、適用されますので、各自治体の窓口に問い合わせてみてください。
さらに、「特別障害者手当制度」というものがあります。これは在宅での療養費を支える給付制度で、「常に特別の介護を必要とする程度の方」を対象に月額27,300円の手当が支給されるものです。
また、重度等級の障害者手帳を持っている方だけでなく、介護保険の「要介護4」または「要介護5」の認定を受けている方のほとんどが対象となりますので、主治医と相談の上、給付を申請することをお勧めします。