兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

健康情報テレホンサービス

2023年7月

【金土日】多型滲出性紅斑

 多型滲出性紅斑は、頭痛や関節痛などの風邪症状に続いて、やや盛り上がった紅い発疹が、主に腕や脚に左右対称的に出現する皮膚病です。

 皮膚の狭い範囲に出る軽症型と、広い範囲の皮膚や、眼、粘膜あるいは内臓にまで及ぶ重症型までの型があります。大小さまざまの発疹は、端が盛り上がり、中央部分が凹んだ形になり、色が淡く見え、射撃の標的のような丸い形になる事もあります。水ぶくれになる事もあり、またそれぞれの発疹が繋がって地図状になったりします。この他、顔、肘、膝、足の裏、手の平にも対称性に症状が現われます。

 重症になると眼が紅くなったり、唇や口の中、陰部がただれたりしてきます。眼の結膜に症状が及ぶと視力障害を起こしたり、広範囲に水ぶくれが現われると、生命に危険が及ぶ事もあります。

 多型滲出性紅斑の原因は様々で、ウイルス、特に単純ヘルペスウイルス、細菌、特にマイコプラズマ、また白癬菌などのカビも考えられています。飲み薬による副作用のこともあります。

 原因を確定するために、血液検査や胸部X-p検査、あるいは他の病気を鑑別するために、皮膚を切り取っての顕微鏡検査を行うこともあります。飲み薬を疑った場合は、白血球の中の好酸球の値や肝臓機能を調べる一般的な血液検査や、疑われる薬を使ってのリンパ球刺激試験(DLST)という血液検査や、パッチテストという皮膚テストを行います。

 治療は、軽症の場合はステロイド軟膏、痒みがある場合は抗ヒスタミンの飲み薬で、1~2週間で治癒します。重症になると、それに加えてステロイドの内服が必要になってきます。最重症の場合は、入院して点滴治療なども行います。

 これまでに述べたような発疹が出た場合は、早めに皮膚科を受診されることをお勧めします。

2022年 2022年 2021年 2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年
※健康情報テレホンサービス内検索です。