兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2023年9月

【金土日】薬の飲み方

   薬はなぜ飲み方に決まりがあるのでしょうか。

 薬を飲むタイミングは、起床時、食前、食間、食後、寝る前などさまざまです。飲むタイミングが特殊な薬について、例をあげてみましょう。

 「起床時服用」とは朝起きてすぐ、空腹時のタイミングです。骨を丈夫にする薬のなかには、起床時に服用するものがあります。この薬は非常に吸収されにくい性質で、少しの食べ物や他の薬によっても吸収が妨げられてしまいます。そのため、起床時に服用するのです。

 「食前服用」とは、食事の約30分前に服用することです。ある種の便秘薬は、効きすぎて、下痢や軟便になる傾向を予防するため食前服用のタイミングとなっています。しかし、別の種類の便秘薬では、作用機序から便通改善の効果が最大限にひきだされる事を期待して、食前服用する薬もあります。

 「食直前服用」とは、お箸を持つすぐ前です。糖尿病治療薬の中には、食事に含まれる糖分の消化吸収を遅らせ、血糖値の上昇を抑える薬があります。食べ物よりも先に消化管内に入っていなければ効果が期待できないので、必ず食直前に服用する必要があります。

 「食間服用」は食後約2時間30 分のタイミングをいいます。漢方薬は複数の生薬から成り立っており、その絶妙なバランスで効果を発揮するので、お腹が空いているタイミングの、食前服用や、食間服用となっているのです。ただし漢方薬では、飲み忘れたら食後に飲んでも著しく効果が落ちることはありません。決められた服用量と服用回数を守る方が大切なのです。

 このように、薬の飲み方は、「いつ飲むと、吸収率がよく、効果が最大限に発揮されるか?」「副作用をおさえられるか?」「一番飲み忘れがないか?」などによって決められています。服用タイミングを守ることで、薬本来の力を最大限に引き出し、副作用を防止することができるのです。

 薬の飲み方、服用タイミングを守ることの重要性をおわかりいただけましたでしょうか?

 飲み方がわからない、飲み忘れ、飲み合わせが不安、また食事が不規則な方は、少しでも疑問があれば医師・薬剤師に相談してください。

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