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健康情報テレホンサービス

2023年10月

【火曜】ノロウイルス食中毒

 ノロウイルスとは、食中毒の原因となるウイルスです。手や指、食品などを介して口から侵入し、ヒトの腸の中で増殖します。

 ノロウイルスに感染したときの症状は嘔吐、下痢、腹痛、発熱などです。いわゆる食中毒の症状です。特徴的なのはひどい下痢です。健康な方は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化することがあります。

 感染経路には2つあります。ノロウイルスに汚染した食品からの感染と、ノロウイルスに感染した人からの感染です。汚染食品ではカキなどの二枚貝からの感染の報告が多いのですが、原因がわからないこともしばしばあります。ノロウイルスに感染した人からは、吐物、便から感染します。特におむつの処理は気をつける必要があります。

 ノロウイルスによる食中毒は一年を通してありますが、多いのは冬の時期です。11月頃から発生件数が増加しはじめ、12月~翌年1月が発生のピークになります。

 ノロウウイルスに効く特効薬は残念ながらありません。症状に対して対症療法が行われます。脱水に対しては、十分な補液と栄養補給をします。脱水が強ければ点滴をします。嘔吐や下痢に対しては、症状を抑える薬を処方します。ただし、強く効き過ぎる下痢止め薬は、病気の回復を遅らせることがあるので避けるようにします。

 特効薬がないノロウイルスです。食中毒の予防が大切です。ノロウイルスは熱に弱いので加熱が有効です。ノロウイルスの汚染のおそれのある二枚貝は、中心部の温度が85℃~90℃で90秒以上加熱しましょう。十分加熱することでノロウイルスによる食中毒を予防できます。子どもや高齢者など抵抗力の弱い方は、特に加熱が必要な食品は、中心部までしっかり加熱しましょう。

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