2024年1月
【水曜】便秘症
多くの方が経験する便秘症ですが、定義としては、ウサギのような便や、硬い便になることや、排便回数が少なくなることで、排便時にいきむことが多くなる、便が残ったような感じ、いわゆる残便感があるなどの排便困難症状があることとされています。つまり、硬い便であっても、週2回以下しか排便がない方も便秘症になりうるということになります。
便秘薬はドラッグストアなどで市販されていますので、医療機関を受診せずに服用されている方も多いかと思います。
身近な存在の便秘薬ですが、便秘薬は大きく3種類に分類されており、最も多く出回っている大腸刺激性下剤という種類の便秘薬には注意が必要です。この便秘薬は、センナ、アロエ、ダイオウが主成分になっているもので、依存性があります。一時的な使用は構いませんが、長期にわたる使用は腸の蠕動が悪くなり、大腸を弛緩させ余計に便秘になることが分かっています。大腸刺激性下剤を中止することで、大腸の機能が回復し便秘が解消することも多いため、かかりつけ医や消化器内科で相談してみましょう。
便秘の改善には食事内容も重要なポイントです。ただ単に食物繊維を摂取するだけでなく、キウイフルーツ、プルーン、発酵性食物繊維のおからなどを積極的に摂取していきましょう。また、ヨーグルトなど乳酸菌などによる腸内細菌叢に着目した治療も有効であることが分かっています。
便秘症といっても、他に原因があるものがあります。例えば大腸がん、糖尿病、甲状腺疾患、パーキンソン病などの持病が挙げられます。また、他の内服薬の副作用として便秘になっていることもあります。特に注意が必要なのは、便が細くなった、腹部膨満感がでてきた、排便後の残便感があるといった症状が数ヶ月前から急にでてきた場合です。大腸がんの可能性がありますので、早めにかかりつけ医や消化器内科を受診するようにしてください。