2024年3月
【木曜】アレルギー性鼻炎の治療法
アレルギー性鼻炎は鼻の粘膜でアレルギー反応が起きて、突然くしゃみ、鼻水が生じ、その後しばらくしても鼻づまりが残る、あるいは最初から鼻づまりが主な症状として発症する病気です。原因となる物質、すなわちアレルゲンにより、季節に関わらず症状が出る通年性と、特定の季節だけ症状が出る季節性にわかれます。花粉症は季節性アレルギー性鼻炎の代表です。
診断は主に問診と鼻の診察で行われ、必要に応じて採血や手指から少量の血液をとるアレルゲン検査で推定されます。通年性ではダニやホコリが主成分のハウスダストやペットの毛、季節性ではスギやヒノキやブタクサなど植物の花粉が原因になります。季節性アレルギー性鼻炎では鼻だけでなく眼のかゆみや涙の増加、のどのかゆみや空咳、皮膚のかゆみまで起こすことがあります。
アレルゲン検査で原因物質がわかれば、それを避けることで症状の悪化を防げるはずです。しかし、ペットの毛などがアレルゲンと思われる場合はなかなか難しくなるようです。ほとんどの場合は治療薬として抗アレルギー剤などの飲み薬、鼻に噴霧する点鼻薬が用いられます。薬物療法によりくしゃみ・鼻水は比較的早く確実な効果が得られやすいのに対し、鼻づまりに対する効果は確実ではないことがよくあります。そのような場合は鼻の奥にある下鼻甲介(かびこうかい)という部分が増殖してしまい、薬ではその容積を減らすことができなくなっている場合や、鼻茸(はなたけ)と呼ばれる余分に増殖した粘膜が発生している場合があります。その際は、レーザーで焼いたり、内視鏡を使って増殖した部分を切除する手術が必要になったりする事があります。
いずれにしても、最初は耳鼻咽喉科を受診し、薬による治療でどのくらい症状が改善するかを確かめ、治りが悪ければ手術を検討されればよいでしょう。
耳鼻咽喉科でも、レーザー治療や内視鏡手術まで行なっているところも少数ありますが、多くの場合は地域の大きな病院での手術となると思われます。その場合は現在かかっている診療所の医師から、適切な医療機関に紹介を受けてください。