2024年4月
【木曜】胆嚢結石
胆嚢は肝臓の下にある袋状の臓器で、肝臓で作られた消化液を蓄える働きがあります。胆嚢結石症は、その胆嚢内に結石ができる疾患ですが、結石があるからと言って、必ずしも症状が出るわけではなく、多くは無症状と言われています。自覚症状で最も多いのは右の肋骨下あたりの差し込むような痛みで、30分前後持続し、脂肪の多い食事をした数時間後に多いとされています。
また、人によってはみぞおちや肩甲骨などが痛くなることもあり、痛みの程度も、差し込むような痛みから鈍い痛み、肩こりのような重苦しさなど様々です。吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
胆嚢炎にまで発展すると、発熱や持続的な強い腹痛がみられます。胆嚢結石ができる原因は、結石の種類によっても異なりますが、カロリーや動物性脂肪の過剰摂取、脂質異常症、ホルモン補充療法、経口避妊薬の使用、長時間の絶食、急激なダイエット、肥満などが危険因子となります。
胆嚢結石の治療は大きく内科的治療と外科的治療に分かれます。ただし、結石が肝臓内や胆管内にはなく胆嚢にのみ存在し、無症状であれば、基本的に治療対象ではありません。発作的な痛みがあったり、強い痛みや発熱といった胆嚢炎症状がある場合には外科的治療、すなわち手術が推奨されます。現在は腹腔鏡手術といって、お腹に小さな傷を数か所あけ、そこからカメラや手術器具を挿入し、胆嚢を摘出する手術が主流となっています。
腹腔鏡手術は身体を動かしたり食事をしたりといった術後の回復が、従来のお腹を大きく開ける開腹手術よりも早いというメリットがあります。ただし、開腹手術の適応と判断される場合もありますので、医師にご相談ください。
様々な事情により手術が困難な場合や患者様の強い希望がある場合は、内科的治療として、痛み止めや発作予防の薬を使用したり、結石の種類によっては薬で結石を溶かしたり、体外衝撃波で結石を砕いたりすることもあります。
結石ができやすい高脂肪、高カロリー食をなるべく避け、気になるお腹の痛みがあれば早めにかかりつけ医を受診するようにしましょう。