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健康情報テレホンサービス

2024年6月

【金曜】皮膚に影響を与える紫外線

 紫外線の皮膚への影響についてお話します。紫外線は波長の長さで区別されます。波長の長いUV-Aは3~5割が表皮の下の真皮まで到達し、慢性的に浴び続けると、しわやたるみなどを引き起こします。波長の短いUV-Bは真皮まで到達しませんが、表皮に炎症を起こし、シミやそばかすなどの原因となります。

 日本人の6~7割は日焼け直後に少し赤くなり、数日後には肌が褐色になる傾向があります。もし、日光を浴びた時間が10分程度なのに、皮膚が真っ赤になったり、やけどのような症状が出たりした場合は光線過敏症の疑いがあります。

 光線過敏症は紫外線アレルギーなどで、皮膚に生じる疾患の総称です。最も多いとされるのは「多形日光疹」と「日光蕁麻疹」の2種類で、多形日光疹は、紫外線のアレルギー反応を起こし、赤いぶつぶつやかゆみが腕などに現れます。日光蕁麻疹は日光が当たった部分がすぐに赤くなり、ひどい場合はみみず腫れになることもあります。

 光線過敏症による症状ではなく、日焼けの場合は、冷却や水ぶくれの処理、薬を塗るなど、適切な処置をしないとしみや傷痕が残る可能性があります。また紫外線に長く当たることにより、皮膚の老化を早めて皮膚癌の原因にもなります。これらの紫外線による皮膚の疾患は、表皮の一番下にある基底層に存在する、メラノサイトという細胞が紫外線があたることによって活発になり、メラニン色素が多く分泌されて起こってきます。

 このように基本的には紫外線は肌に良くないため、出来るだけ日に当たるのは避けたいところです。しかし夏休みに入ると、海や山など外で遊ぶ機会も増えると思います。帽子や長袖、海ならばラッシュガードの着用や、日焼け止めを2~3時間おきに塗り直すなどし、紫外線から肌を守りましょう。

 皆さんが最も気にされている「しみ」の治療に関しては、遮光による予防に加え、美白剤のぬり薬とビタミン剤などの飲み薬による治療が行われてきましたが、最近はレーザー治療の効果も期待されています。いずれにしても皮膚の状態をそのままにせず、医療機関を是非受診してください。

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