兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2024年7月

【金曜】うつ症状とうつ病

 「うつ」と聞いてみなさんはどういったイメージがわくでしょうか?

 「気分が落ち込むみたいな感じでしょう」とか、「なんかよくわからない。人によって違うことを言う」とか、「なんかサボりみたいに感じる」とか、人によって本当にいろんなイメージを持たれていると思います。

 そのイメージは正しく、それだけうつはたくさんの症状がある病気であり、専門としている医療者でも、診断が難しいときが多くあります。

 一般的には気分の落ち込み、意欲の低下、不安などのこころの症状がみられます。また少し意外かもしれませんが、体がだるいことや痛み、しびれ、ドキドキなどの体の症状がみられることも頻繁にあります。

 「そんなのこれまでの人生のいろんな場面で経験したことあるよ。先生とか上司に怒られたり、恋人と別れたり、親しい人が亡くなったときにもそんな状態になったよ。じゃああれも病気なの?」と思うかもしれませんが、それは半分正解で、半分間違いです。

 明らかな原因があって、そのような症状がでることは人間の自然な感情であり、病気ではない可能性がある反面、それが時間が過ぎても、また原因となったものがなくなっても、ずっと同じようなこころや体の症状が続いている場合は病気の可能性があります。また明らかな原因がないのに、そのような気分の落ち込みや不安などのこころの症状や痛み、ドキドキなどの体の症状が続くときも、病気の可能性があります。

 そのような状態を放っておくと、夜眠れない、食欲が落ちるなどの症状も出てきます。そうなると気分が落ちているのに、体がしんどいのに、回復がうまくできなくなる。回復がうまくできないと、さらに気分も体もしんどくなっていくなど悪循環にはまっていくことになります。この悪循環にはまると考え方もマイナスになり、仕事や学校に行きたくなくなったり、自分がダメな奴だと思うようになり、よりしんどさを感じるようになります。最悪の場合はもう消えてしまいたいなど自殺なども考えるようになってしまうこともあります。

 そうならないためにも、自分のこころが疲れているなと感じたとき、あの人はしんどそうにしているなと気づいたときは、「まだ大丈夫だろう」とか「根性が足りない」など安易に判断はしないでください。最初にお伝えしたとおり、うつの症状はたくさんあり、うつになる病気もたくさんあるので、自己判断や専門ではない人の意見が的外れとなっていることが多くあります。なので相談だけでもいいので、こころを専門にしている医療機関を受診し、正確な診断とそれに対する治療のアドバイスを受けることをお勧めします。

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